2020年9月12日土曜日

割引沢 天狗岩 中央稜フランケ 敗退

2020.9.12

元々、有明山深沢に行く予定だったが雨の予報をみて急遽天狗岩行きを決めた。

金曜の夜、駐車場ではしっかりと雨が降っていたので遅めのスタート。
天狗岩は駐車場からもよく見えた。

割引沢は破線登山道になっているものの、沢登りの高巻きのようなところがあって登山道にしては悪い。途中で抜いた年配の男女が心配だった。
割引沢ヌクビ沢出合いからしばらく歩くと、途中ケルンがあり、裏手に続く沢状を登るとスムーズにビバーク適地のテラスに出た。クライミング装備と最低限のビバーク装備を持って、中央稜フランケのとりつきを目指す。アプローチシューズのまま、下部スラブを慎重に登った。
登山体系のルート図と見比べながら、ここだというところで登攀開始。
一切の残置物は見えず、本当にここで合っているのか不安になる。
摂理はよく発達しているものの、ナイフブレードさえ受け付けない緻密さで、プロテクションに苦労した。時たま水平リスを見つけたり、スモールカムが入る隙間があるとすかさずセットした。
40m弱ロープを伸ばしたところで、バガブーとマイクロストッパーを効かせ、草をほじくりキャメ0.75を決めてピッチを切った。

2ピッチ目、パートナーが直上を試みるも駄目で一度降りてくる。
次に左のラインへ。こちらも中間支点はとれないようだ。
8mほど登ってようやくピトンを1本、怪しい音で怖い。
まもなく2本目、しっかり効いてる音がして多少安心。
この後、リングボルトを発見、このルートでようやくの残置物だ。
朽ちかけのリングボルトはラダーになっており、ロープで連結してビレイ点とした。

3ピッチ目、草付きのA1

ホールドが少なくいきなりエイドから始まる。腐ったボルトに立ちこみ必死に草を剥がして、ナイフブレードを打ち込む。半分しか入っていないところにスリング をかけて立ち込んだ。フリーで登れるようになったと思ったら、プロテクションが激悪。外れそうなブロックにキャメロット1を決めて、次に取れたのは逆ざしのバガブー 。リスを探してペッカーを打ち込む。雨がパラつき敗退を考えるも上方の木まで登り切る方が安全だと考えて進み続けた。

ようやく到達したフレークにバガブー を打ち込むも、エキスパンディングしていてグラグラ、ボトミングでしか効いていない。壁が濡れていてフリーでは行けないのでグラグラのバガブー にスリング をかけて立ち込む。もうふくらはぎがパンパンだ。縦ハーケンを打ち、スリングに立ち込んで草付きのムーブを探る。すると突然縦ハーケンが抜けた。咄嗟にバランスをとったので落ちなかったが心は折れた。

ロワーダウンできる支点を作るため、エキスパンディングフレークに2本目のバガブー を打つ、岩が割れるだけで全然効かない。既に打っていたバガブー はますますグラつく。

もう一度突破を試みる。いややっぱり無理だ。草付きにしては傾斜が強すぎる。フリーでのクライムダウンを決めた。心を落ち着けて集中、怪しいプロテクションを回収しながら10mほどクライムダウン。落ちなくてほっとした。


50年前に打たれたであろう残置のRCCボルトに命を託し、3ピッチ目出だしから30m懸垂。途中の水平リスにピトンを2本打ち残り30m懸垂。ぎりぎりとりつきに戻った。


タイム
7:20 駐車場出発

9:00 割引沢ヌクビ沢出合い
10:00 天狗岩基部
10:50 登攀開始
12:00 2ピッチ目登攀
13:30 3ピッチ目登攀
14:40 敗退、クライムダウン、懸垂
15:30 とりつき
16:30 下山開始
18:00 駐車場

ギア
ナッツ小、マスターカム00-2、キャメ0.4-4
ピトン各種計6枚
スリング60*10、120*3、240*1

スリングは少し不足した。
次回行けるならピトンを今回の倍にして、アブミも持っていく。

大き目のカムは要らなかった。

今回届かなかった前傾クラックのピッチではカムが2-3セット必要になりそうだった。

ボルトも、、あった方がいいかも。