2022年1月9日日曜日

行縢山 椿3 ワンプッシュ

1月8日

いよいよワンプッシュのトライ。9日はフェリーに乗るので、この日が実質最終日だった。

天気は曇り。朝は3度くらいだったが予報では13度くらいまで上がる予定。

地面を見ると濡れていて夜のうちに少しパラついていたようだ。


9時頃家を出て、10時ごろ1P目に取りついた。

なにもデポしていなかったので、必要最低限のギア、荷物でとりつく。

フィックスはもちろん、ヌンチャクもぶら下がっていない状態で気持ちがいい。


何度登っていても、1P目2P目はいやらしく緊張させられる。

今回はヘルメットを持ってきていなかったので尚更だった。


3P目に11時着。ギアがぶら下がった状態では核心ムーブができないので、一度目はヌンチャク掛けのトライ。1本目はクイックドロー、2本目は核心なので環付クイックドロー、それ以降は流れを良くする為に60cmスリングを使用した。

終了点へ着いたところでグリグリ、マイトラ、ロープガードを上げ、バックロープをfix。


昼頃、少しだけ太陽が出てきた。岩は冷たく、無風でちょうどいい。

30分ほど休んで繋げトライ。1個目のボルダームーブで一度とり損ねたが、立て直してアンダーガバへ。クリップ、シェイクし核心へ。なんとか成功した。ハングの中間で十分に休む。前回ピッチのRPをしていたので落ち着いている。後半部分も最後辛い所があったが確実に登り切った。


回収はテル君にユマールで行ってもらった。ハングの終わりがエッジになっているので9.5㎜径のロープを使用していたが、念のためローププロテクターもセットした。ところが引っ張られた時にロープガードが予想したように動かず、少しずれてしまう。ユマール前に末端までロープを引き上げ、余端側でロープガードの作業をすれば良かったと反省。

ユマールもハードだったらしく、テル君は息を上げて上がってきた。フローリン気分だそう。

ワンプッシュについて、昨晩2人で話をした。テル君はワンプッシュについてとくに拘りがないそうなので、この日の予定もそんなに乗り気ではなかったように感じられた。ただ実際こうして来てみるとユマーリング、荷揚げなど、「フリークライミング」以外の楽しさもあると思い出してもらえたようだった。


4P目。カムを決めるクラックに少し草が生えていたが、問題はなかった。核心部分はパンプする内容で緊張するも、去年の記憶を辿りながら、半分勘で登り切った。

ロープをfixし、靴を脱いで寛いだ。ユマールしてくれたテル君が到着した。

取りつきから5時間弱、スッキリとした納得のいくスタイルで登りきることができた。


この日の晩はen夫妻が来てピザパ。思う存分食った。


マルボーさん、南さんと広島ルートにトライしたのは7年前。

そのころはクラックやマルチピッチ、山に嗜好が変化していた最中だった。

この頃は、より強く、フリークライミング的に難しく、という方向に対しては関心がなくなっていたように思う。そんな時期にあったフリー化の敗退。それ以降、結構頑張ってきた気がする。


広島ルートをフリーで登ることが出来て、ひとつの区切りがつきました。

2022年1月7日金曜日

行縢山 椿2

 5日は疲れが溜まっていたのでレスト。

延岡の綺麗なスタバや、駅近の理容室、丸か湯でゆったりと過ごした。お世話になった店員さんは70歳の女性でこの辺の事をいくつか教えてもらった。行縢おろしという風が吹くから寒いだとか、高千穂おろしもあるだとか、行縢に向かっていく川のランニングコースがいいだとか地元情報を仕入れた。



6日、朝起きると夜から降っていた雨がまだ上がっていない。予報より降り続けるのでモヤモヤしたが、10時には家を出た。

昨日からの短期的な減量で足取りが重い。頭も冴えない。シャリバテの様な感じだ。

取り付きへ着いた頃には雨は上がった。今回はテルくんが左を開拓してある事もあり、1ピッチ目、2ピッチ目にfixを張っており、2ピッチのユマーリングで大ハング下へ。流石にここは一切濡れていなかった。


アップ兼、ヌンチャクの長さ調整の為すぐに一度登る。疲れないように核心はアブミでパス。それでもまあまあ疲れる。上部のヌンチャクを60スリングに交換し、リップまで辿り着いた。ハングの上は想像以上にびちょびちょだった。


テルくんは、左下にある弓状クラックの終了点を打ちたいという事で、テラスから左への大トラバースを試みていた。結果的には最後壁があまりにボロくなり敗退。大ランナウトをしながらよく往来したなと感心した。


今度は、弓状クラックを登ってからハング帯に突っ込んでみるとの事で、fixを降りてビレイした。

前回残していたカムを使いながらもなんとかクラックパートを終え、未知のボロボロハングに突っ込む。ハング内にヤバそうなスモールカム0.2を決め、ムーブを起こした瞬間、ホールドが欠け、プロテクションの岩が欠け6mほど落ちていた。

ハング帯は全部のホールドが不安定で、これ以上は無理という事でエイドダウンし帰還してきた。それにしても、凄い気持ちの強さだった。


そうこうしているうちに時間は15時半、ハング上の垂壁も乾いたように見える。せっかくのレスト明け、ここで一度椿3ピッチ目をトライする事にした。

体を体操やフィンガーボードで無理やり温める。これからのトライはダメ元、やり直しのトライが勝負と言い聞かせて気負いすぎずにトライ。


最初のボルダームーブでは相変わらず落ちそうになるも、超えた。そこからの一番ハードなムーブ。何故だか出来る様になっていた。これはまさか登れるトライか、、。

残りは入念にムーブを確認していたので絶対に落ちない。と自分自身に言い聞かせる。丁寧に、レストポイントでは20分以上休んだか、とにかく慎重に登り続けてハング上へ。終了点までにあるガバフレークは濡れていたが、落ち着いて登りきった。


積年の課題が登れた。しかも思っていたより少し早く。とてもスッキリした感じでロワーダウン。

最終ピッチは去年僕がリードしたので、テルくんに聴いてみるもやらないとのこと。

1-2ピッチを今回はユマールしていたし、まあいいかとフォロー回収した。




下山後、開拓隊長のマルボーさんから返信が来ていた。

もともと広島ルートをフリー化するためにはじめた開拓だったが、ようやく各ピッチRPする事ができた。バラしRPが成功し、いい気分になって、銭湯まで車を走らせる。湯船に浸かりながら改めて思った。今の状態じゃ、あのルートを登った気にはならない。


やはり上まで抜けないと、自分のやりたいクライミングはそういう事なんだと思う。

登りにきたのはフリークライミングの14bでは無い。「行縢山雌岳 広島ルート フリー」を登りに来たんだ。

相方のテルくんは完全にボルダーモード、レッドポイント後回収した時も「やっと終わった」と言われる始末。左に張ったfixの撤収など、諸々の作業がやっと終わったという事なんだろうけど、、ビレイも大変だよな。

パートナーに負担をかけている事は重々承知の上だけど、ワンプッシュで登りきりたい。このルートは納得した形で登りたい。


この日の夜、沸かしたての鍋の取手が突然外れて太ももを火傷した。

7日
朝一皮膚科医で診察を受けて薬をもらう。

追い打ちのように病院からの帰路で脱輪。ロードサービスで対応してもらえたので良かったけど、かなり疲れているんだな~と実感。

昼過ぎからテルくんの希望でたぶのきエリア。僕は岩に触らないようにレストした。
前勤めていた会社の先輩たちがいて、久しぶりに何気ないボルダリングの日常を過ごした。

正直まだ疲れていて、こんな状態で明日トライしていいのかと何度か迷いも浮かんだ。
いやでも、今回僕はこれを登りに来たんだ。明日は頑張ろう。

2022年1月5日水曜日

行縢山 椿1



後輩のT君から誘われて、3年連続での宮崎行きが決まった。

もう何回目の宮崎ツアーだろう。10回近いか。

流石にこれだけの回数訪れていると出発前の高揚感も薄れてきたかもしれない。

広島ルートのフリー化、椿をトライしに行く訳だが、区切りをつけるつもりで出発した。



去年とほぼ同じスケジュール、大阪港からフェリーで別府港に渡った。

違うのは今回は「大崩森の家」ではなく、昨年宮崎に移住した「行縢森さんの家」にお世話になるということぐらいだ。

初日の2日はT君の希望で比叡ボルダー。デルピヨ、カンダカラ、ヒエンを廻ったが翌日のトライに備えて一切登らず。

それでも昔の知り合いにあったり、Y君のホライゾン完登をみたりと満喫した。

帰りに携帯をなくすトラブルがあった。日之影温泉にいっても携帯が心配で寛げず。。結局、荷物に紛れていたというあるあるで解決。

夜は飲み会。延岡弁、宮崎弁が移るかと思った。#移住話#九州戦国七雄


3日、家をでると目の前に聳える岩壁が目に入る。改めて圧倒される。

車で2分で行縢山登山口へ。

緊張感のある2ピッチを登り、核心の3ピッチ目をトライ。昨年できなかった一個目のボルダームーブが一度で止まった。当たり前だけど疲れてないときなら体の動きはいい。疲れないように大核心もムーブを探る。数回のトライでギリギリとまった。ただ2手しか続かなかったので、登れるかどうかは怪しい。凹角のムーブをやってみるも、ここも嵌ってしまう。結局この日は2トライ、しかも核心ピッチの半分で終えた。



4日はenが合流してくれ、写真を撮ってもらえることになった。

昨日できなかった上部をやるため、下はエイドで抜ける。後半もパワフルなムーブが連続して、強度が高いことを改めて実感した。最後のランナウトも長いし。

T君は椿左下に位置する弓状クラックにトライ。見た目にきれいだが、岩の表面がパリパリ割れて壊そう。何度かテンションし、左端までのぼり、抜けられそうなことを確認してからエイドダウンで降りてきた。5.12くらいになりそうとのこと。これをやることに決めたようだ。



お互い1トライしただけでいい時間になり下山、enお勧めの珉珉へ駆け込んだ。


残りの日程的にトライは2日。頑張りたい。