7/14 停滞
終日雨。しかも気温が下がり3-10°くらい。
少し散歩した。牧草地は沼に足が取られてしまい靴が濡れる。
大人しくこの日もKindle。
明日からが一番気温が低いようで、オルマの登攀に当てた事を後悔する。でも手持ちのダイナミックロープはfixしたので明日はとにかく行くしかない。
7/14 停滞
終日雨。しかも気温が下がり3-10°くらい。
少し散歩した。牧草地は沼に足が取られてしまい靴が濡れる。
大人しくこの日もKindle。
明日からが一番気温が低いようで、オルマの登攀に当てた事を後悔する。でも手持ちのダイナミックロープはfixしたので明日はとにかく行くしかない。
7/12
レンタカーを8時半に返却し、10時に宿をチェックアウト。
天気予報を見て、次の計画でトライする事に決めた。
7/13試登、14雨レスト、15-16登攀、17日予備、18日雨レスト
10時半くらいに街でバスチケットの買い方を確認したのだが、特に買わなくて良いと言われて拍子抜けする。
ここから16時40分のバスまで別行動。この日は豪華客船が港に停泊しており、街中は乗客で賑わっていた。乗客が散策するための地図を一枚もらい、散歩コースを考える。Googleマップで「温泉」と表記されていた海辺まで行ってくる事にした。
7/13 オルマ試登
6:50 テント出発
8:30 登攀開始 1ピッチ目 小峰
9:30 2ピッチ目片野
12:00 歩ける場所まで下降
どんな岩質か、傾斜はどれくらいか全くわからないので、まずは試登。登った後はダブルロープ2本の120m分fixするか、同ルート懸垂で戻ることになる。
fixすると翌日の雨でロープが芯まで濡れるし、アイスラインで登り返すのも嫌だった。かと言って稼いだ高度は残しておきたい。どうするかは現地判断する事にした。
アプローチの途中、太一くんがトランシーバーを忘れた事に気がつき持ってきてもらった。
とりつきは滝右側のスラブ。テラスに0.5を決めて、ジャンケンで買った僕からスタート。乾いているスラブを登りはじめたのでグレード的には簡単だったがまるでプロテクションが取れない。ホールドも顕著なものがなく、スローピーな形状を抑えていく。余裕のあるところでリスにナイフブレードを決めるも全然入らず。ノープロを強いられて、草付きバンドにルートを求めれば良かったと少し後悔する。
内容は本当に簡単なんだけど、万が一を考えると怖い。
草付きバンドに入り灌木にスリング 、右の支流滝を横断する。バガブー とカムを使う。水量は僅かだが、頭上から降ってくるのでフードを被らなければならなかった。
右手のブッシュ帯に移りピッチを切る。50mくらいか。
2ピッチ目は太一くんリード。まず最初に、果敢にも左のスラブ帯へ。70°くらいに立っていたが、あまりにもプロテクション、ホールドがないので戻る。真上の大フレーク状チムニーに入らないか見てもらうも、出口がスラブで行けるかわからないと却下。右のブッシュを登っていく事に。
45mほどロープが出ただろうか。ビレイ解除のコール。本来だったら余端を手繰ってもらうが、fixして加工することを考えてそのままfixしてもらった。
とりあえず荷物を担いでユマール。大フレーク右のブッシュは傾斜が強く大変。その後バンド状のトラバースを2回交えて灌木で作られたビレイ点へ。
登ったラインは右上だが、懸垂すると小滝を降りる事になるのでロープの長さに気を遣って降りる。大フレーク横の被った凹角に差し掛かった時、アイスラインが一気に伸びてひっくり返り、頭が下になった。その拍子に背中が岩にぶつかり痛かった。気をつけなければ。
2人目の太一くんに途中途中結び目を作ってもらい降りた。
テントに戻ってもまだ昼だったので、暇つぶしに焚き火。こっちの木はなかなか火がつかないし、ついてもイマイチ強くならない。
濡れたウエットなどを乾かし、一気に沢登りの感じになってきた。
18時前にアルファ米と太一くんが作ったスープで夕食。
次の日は停滞ということもあり、基本的に暇なのでKindleを読むなどして過ごした。
狭いシートで寝つきが悪く何度も目を覚ました。今の時期なら夜中の2時でも薄明るい事がわかった。
夜行バスからオンダールスネスで下車したのは、僕たちともう1組だけ。
今までオスロに3日間も滞在してずっと晴れていたのだが、こちらはどんよりした天気。地面が濡れていて、程なくして雨が降ってきた。天気予報も表示される10日間は全部雨マークだ。
朝5時で既に明るいが、人の気配はない。
この街の第一印象は陰鬱とした雰囲気だった。
駅に入ると、ベンチで毛布にくるまっているおじさんが1人いた。僕たちも宿まで歩くのは億劫だったので、ベンチの上で寝袋に入って寝た。
7時、スーパーが開いたので朝食にパンを買う。ホットコーヒーも飲みたかったがそれはなかった。
8時前、レンタカー屋だと思っていたところに行くと、何故かホテルだった。受付の人に正しい場所を教えてもらい更に10分歩く。荷物がないと歩いてるだけでもいい気分だ。
教えてもらった車屋に辿り着いた。ところがここでも問題が。スマホで予約のメールを見せたのだが、そんなものは無いと言われてしまう。
困ったが、確認してもらう間にコーヒーサーバーから一杯頂く。おそらく予約は仮申込の状態で、確定できてなかったのだと思う。
結局予約は見つからなかったものの、オートマのカローラを借りる事ができた。
駅に戻りビッグワンと荷物をピックアップ。宿へ。
次の宿もユースホステルのような感じで、建物に共同のキッチン、さらにはサウナが併設されていた。
そしていよいよ、本命の滝や壁の偵察に向かった。
ロムスダール渓谷のクライミングは、ラウマ川の両側に聳える岩壁が対象になる。氷河で削られたV字谷だ。
オンダールスネスから行くと、まず最初に圧倒的な壁が右側に現れる。トロール壁だ。この時はちょうど天気が回復していたのだが、トロール壁の上部には雲がかかったままになっていた。
正直なところ、デカ過ぎて登る対象として捉えられない。登って行けるイメージがまるで湧かないのだ。トロール壁前には大きな駐車場や売店があるのだが、トロール壁で亡くなったクライマー、ベースキャンパーの名前が刻まれていた。最近だと2019年の事故だった。
トロール壁の対岸にはオムスダールホルンがある。壁がよく見える駐車スペースに移動する。この日はクライマーの車が1台あった。オムスダールホルンは陰鬱としたトロール壁とは対照的で日当たりも良く明るい。それでも500mほどある垂直部や、1500mある山容は迫力十分だった。最近のトポにもこちらは詳しく載っている。登るならまずはこっちが良い。
それから、本命のオルマ(Ølmåafossen)へ。
それはオルマ川沿いを走っていて、遠くからでもすぐに目に飛び込んでくる存在感を放っていた。実は渓谷の両側には、雪渓を水源とした名もなき滝が無数に掛かっているのだが、この滝だけが本当に群を抜いて高いのだ。絶妙に登れそうな傾斜、しかも両側には適度なブッシュ。完璧だ。
だがしかし近くに行ってみると、ほんの少しに見えた垂壁部分が随分大きい事に気がつく。でも、まあほんとよくわからない。
前日の夜行バスによる寝不足も加わり、とにかく現実味がないのだ。
偵察後、オルマの右のルンゼから岩雪崩の音が聞こえ、白煙が上がるのが見えた。少し前にあそこから下降しよう、なんて話を丁度していた所だ。
下降は反対のトレッキングコースをたどる事に決めた。
ベースになる場所を決め、ドローンの撮影も終えたので他の候補も見に行く。
起きた瞬間、電車のチケットが売り切れていても、流石にローカル線があるのではないかと考えた。Googleで経路を短く区切って検索するとそれらしいものが出てきた!
しかし結局、それも予約が必要でチケットが売り切れていた。。
結局オスロ空港から23時発の夜行バスに乗る事に。オンダールスネスの宿が一泊分勿体無いし、レンタカー寝不足で運転もきつそう、何より楽しみだった鉄道にも乗れない。。
オスロ3日目の滞在となってしまったが、荷物が大きいので観光にも行けず。とりあえず空港に向かって引きこもる事にした。
YouTubeで、トロール壁のことやノルウェー人ユーチューバーのチャンネルを見て時間を過ごす。それも飽きて、散歩してトレッキングコースまで行かないかと考えたが、バスやタクシーに乗らないと空港からは出られないので断念した。
それでも無事、定刻通りに夜行バスはやってきて、無事にオンダールスネスへ出発した。座席はノルウェー人の体格に合わせていると期待したのに狭かった。。
個人的には早く移動したかったのだが、「ノルウェーを知る」事を大事にしたい2人の要望で、この日も連泊する事になっていた。沢屋は寄り道が大好きなので仕方がない。
この日最低限やることはジムに行って情報収集、ビッグワンのSIM購入だ。
Kさんに教えてもらったアプリ、Topo mapsをみるとオスロ東側にボルダリングのエリアがあったので行きたくなったが、ビッグワンのAQUOSスマホでeSIMが上手くいかずにいたので現地SIM購入まで付き合う事に。
宿からジムへの移動だが、ちょうど良い電車やバスがない。そこで昨日から気になっていた電動スクーターにトライしてみたがこれが良かった。
TIERというアプリを入れると、地図と現在地、そしてどこに電動スクーターが停まっているかが表示される。
スクーターはオスロ内そこら中にあり、宿の近くにも2台あった。アプリでQRコードを読み込むと利用スタート。時間課金制で料金が発生する。
時速は体感20キロくらい出るので結構早い。
これでジム方面へ向かった。ちょうどコンビニがあり、ビッグワンSIM購入。
それから〇〇というジムへ。
ここはGoogleマップを見る限り、オスロの中でも1番大きいジムだと思われる。実際リード壁は5面あり、高さも13m程。品揃えも、特にトポが充実していた。
ここでもビッグワンがトロール壁について聞いてみる。受付のお姉さんは分からないようだが、とても親身になってネットで色々と調べてくれた。どうやら、トロール壁は日本でいう谷川のような位置付けのようだ。
ロムスダールのトポを一冊買って、ジムで登る事にした。ここではTCプロを履いていた兄さんが仲良くしてくれた。クラック好きは言語関係なく通じ合えるのだ。
最後に、オートビレイで13mのファスト〜ワイドハンドを楽しんだりと満喫。情報収集としては、ノルウェーのクライミング雑誌があり、そこでカッコいい氷瀑の写真をいくつか見た。
宿に戻った後、ビッグワンのスマホにSIMを入れるが、上手くいかない。通信会社実店舗へ行く為にオスロ中心地へ。地下鉄用のアプリも入れたし慣れてきた。肝心のSIMは、あと少しのところで上手くいかず諦めることに。通算1万円くらい課金したのに残念。。
宿に戻って一息つく。
明日乗る、オンダールスネス行きの鉄道の事を調べるかー。と見てみると、全部売り切れている。。。予約必須だったのか、、自由席もないらしい。明日駅に行って、駅員に聞く事にして、念のため夜行バスを確保。
他にいい方法がないか考えながら寝た。
7/7続き
オスロ空港に12:30着。今回初めて導入したeSIMを試すも、うまく繋がらない。
この日は昼過ぎにオスロ中央駅で、インスタで連絡をとったKさんと会う事になっている。Kさんはロングトレイル、山スキー系の女子で、先日の山スキー報告会の幹事もされていたので気になっていた。
僕たちと1日違いで成田からドバイへ移動し、デンマークに渡り、夜行バスで移動してきたそうだ。ノルウェーに行く山屋なんてそういないだろうに、すごい偶然だ。
特急?でない電車のチケットを買い、オスロ中央駅へ。Kさんと無事合流し、有力情報を頂いた。
旅に使えるアプリ
Wi-Fi Map
Topo maps
元々はランチでも、という話だったがお互いにお金がない事を察してか、ジュースひとつ買わなかった。
教えてもらった登山ショップに向かい、ガス缶購入。現地のトポをみると、アイスクライミング が良さそうだ。あれ、来る時期間違えた?笑
ここの店員さんにトロール壁の資料はないか聞いてみると、ボロすぎるよ。あそこのジムにならもしかしたらあるかも。とのこと。
外は明るかったもののすでに18時近い。宿を目指す。
地下鉄駅に降りると、それらしい電車が発車しようとしている。色は目的地に行く路線だったので、切符を買えていないがとりあえず乗り込んでみる。
しまった、逆方向??地下なのでGPS も使えない。周りには誰もいなくて車庫に向かってる??とも思ったが、無事?逆方向の駅に到着した。
地下鉄駅を見渡しても券売機は無く、皆アプリで乗車するらしい事が分かった。紙を使わないのでエコだ。ビッグワンが売店で切符を買ってきてくれたので、それで正しい方向に乗り直す事ができた。
郊外の駅を降りると、ほぼ歩行者が居なくなっていた。首都なのにとにかく人が少ない。130lのダッフルバック、ショルダーベルトが肩に食い込み痛いのを我慢しながら宿まで歩いた。
宿はユースホステルのような感じで、台所共用、食堂、外にはバスケのハーフコート、巨大なチェス板、フリスビーのゴールがあり開放的。
食材をスーパーに買い出しに行ったが、20時過ぎていた為、アルコールはレジで没収された。
7/6-7
仕事を1時間早退させてもらい、車で成田空港近くの駐車場へ。9000円を払い、送迎バスに乗り込む。
ターミナルでビッグワンと合流。モンスターがいないのが本当に残念だ。重量オーバー分のキャメ5とスタティックロープを移し替える。僕はここで2万円をクローネに両替。ケンジリさんから聞いた長期ツアーのコツなんかを雑談して過ごす。2人とも預け荷物は25キロちょうど。エミレーツの容量は大きめで助かる。ビッグワンの分は少しオーバーしたが問題なかった。
ビックワンの股間に金属反応があってチェックされる謎の事態があったが、他にはトラブルなくフライト。日本からドバイ行きは空席も目立ち、席を移動して広々使った。
この非公開のアルピニスト、スターウォーズエピソード1、レッドブルTV、reelrock を観た。
ドバイ空港は3年前のイギリスツアーでも使っていたので懐かしい。今回も無料のシャワーを使う。仕事終わりそのままだったので気持ちいい。
オスロ行きの機内は、先ほどとは打って変わって満員である。横になれないし、窓側になってしまったのでトイレに行くタイミングも気を使い疲れた。
ノルウェーにあるこの大滝、すごくないですか?
これだけじゃない、他にも。。あれも、これも。
大滝天国ですね!
大滝モンスターからフィヨルドにかかる数々の滝がLINEで送られてきた。
モンスターとはこれまで幾つかの滝を初登してきた。実際、振り返ってみるとそれらのクライミングは理想的で、ベストクライミングも多い。時には敗退もするが、敗退すらも面白いのだ。送られてきた滝は魅力的だし、ノルウェーには新型コロナ関連の規制もない事が分かった。すぐに日程を決めた。
GWの紀伊半島大滝登攀で、ノルウェーのbig water fallを想定し試行錯誤した。2人でビバーク装備を担いで大滝を登るのは厳しいと判断。そこで共通の仲間の太一を誘った。
丹沢や谷川、紀伊半島など、毎週末3人でトレーニングを重ね、準備は順調だった。
ところが出発直前に酒井が指を負傷した。なんとタイヤを降ろした時に怪我してしまったらしい。最初聞いたときは、まさかそんな大怪我だとは思わなかった。靭帯の完全断裂だった。手術が必要になり渡航すら出来ない事態になった。
大滝モンスターがいないのは本当に残念だ。もしかしたらクライミングも辞めてしまうかもしれない。
2人になってしまった事については不安もあるが、チケットはとってあるし今更行き先の変更もない。酒井くんからも必要なギアを託された。
起こってしまった方はどうしようもない。むしろ今まで山で無事だった事に感謝だ。とりあえずまあ、可能性を探ってくる。
やろうぜ!俺たちの大滝登攀を!