2022年12月26日月曜日

クリスマス瑞牆

 パタゴニアのトレーニングで12/25に瑞牆マルチを登ってきた。

天気は丁度クリスマス寒波。マウンテンフォーキャストの予報では好天時のフィッツロイ本峰よりも10度くらい低い予報となっていた。

7:30ゲート出発

車の温度計-6℃。無風なので良かった。

9時頃調和の幻想登り始め。本番想定で荷物を担いで登る。

1日を通して、この1ピッチ目が1番キツかった。とにかく岩が冷たい。リードの僕は中厚手の靴下にアスペクト8.5、基本グローブ、難しいところは素手で。クラック内の氷はほぼ無く、影響無かったのだが傾斜の強い所でフィストは決まらなかった。一ヶ所A0。荷物が重すぎる。。この日は練習としてカイロを使わなかったけど、-10℃の時にカイロが機能するかは確かめておきたかったかも。

1番やばいと思ったのは、クライミングシューズの冷たさ。大きめサイズではあるけど、それなりに血流が悪くなっているから、今までにない足先の冷たさ。凍傷になるかと思った。

途中、なんでもない易しい所で足がスリップした。岩は乾いていても、シューズについた水分が凍ったのか、岩の表面に水分があったのか。低温化では無理すると事故りそう。


2ピッチ目からはさっきまでの冷たさは無くなった。体が温まってきた。3ピッチ目からは日もあたり、素手でも問題なく登っていける。

木登りからスラブに入るルートは王リード。7月にやった時でも怖かったのに、ブカブカシューズ、荷物あり、低温化で素知らぬ顔で登っていたのには驚いた。本人曰くランナウトに強いらしい。

自分はこういう時怖くて時間をかけ過ぎてしまうので、アルパインクライミング に向いていないなと考えてしまう。

トップアウト後、トップから60m一本+バックアップラインで懸垂するも、間違えて右のルンゼに降りた。一つ下の終了点まで届いたが、灌木が多く引っかかりそうだったので登り返して待たせてしまった。次のピッチはさっきの下降でデポしたザックを回収するために敢えて右から懸垂。この時一本懸垂のカラビナを外さなかったのと、ロープがクロスしていたのでスタック。登り返して真下にやり直した。

ここからは同時懸垂の練習で降りる。

雪の上にクライミングで立ってしまうと、たちまち凍ってしまうようだ。雪の上に立たない、凍ったら懐で溶かして乾かす。

14時過ぎており、黄金の風は時間的に厳しいということでカナトコルートを目指す。不要な寝袋やジェットボイル、デカキャメをデポした。

無雪期は何の気なしに通っている、なんて事ない大岩を超えられずに右から巻いた。

15時頃カナトコスタート

気温は-10℃くらいだと思うけど、南面の岩はそんなに冷たく無く、1-2ピッチ通しで素手で登れた。

歩き〜ピークまではアプローチシューズで、コンテを交えながら。途中被ったワイドが難しく出来なかったけど、素手で登ったら簡単らしい。もっと臨機応変にグローブ脱着しなくては。

下降は同時懸垂のトレーニング。

12月下旬の瑞牆は景色も違っていて、クライミングの内容も違うしなかなか楽しめた。冬靴では無くミッドカットのアプローチシューズ、というのも軽快で良い。

下山中に王から小川山のフリールートの話を色々聞いたけど、今はフリーのルートに対して全然気持ちが乗らない。自分は本当に同時進行はできないタイプなのかも。

あとは氷のルートをちゃんと登って、冬山の感覚を取り戻したい所。だけど年末年始の予定が。。

2022年12月1日木曜日

裏御岳 おむすび岩

 2022.11.19


裏御岳 おむすび岩


1人黙々とミジララテスタ(初段)にトライすること小一時間。

突然、誰もいないはずの岩の上から人声が。下がってみるとオジサンが居たではないか。

どうやら岩影でおむすびを食べていたらしい。その後3G(3段)にロープを固定し、登山靴で登ろうとして諦めて、岩の上に戻られた。


ミジララテスタはスポットなし、岩の上にオジサン有りで登った。緊張した。

2022年10月11日火曜日

穂高継続

 6:00沢渡

6:45上高地バスターミナル

8:30横尾

10:00屏風岩T4登り始め

11:00フリークライミング取り付き

18:00登攀終了

19:25屏風の頭

22:00奥又白池着

23:15就寝

4:00アラーム

5:10出発

6:30取り付き?

8:00右の謎ルート核心ピッチ登り始め

9:45北条=新村ルート核心

11:30北尾根に合流

13:00前穂高山頂

16:00上高地バスターミナル

1日目 歩き7時間15分 登攀8時間

2日目 歩き4時間10分 登攀5時間半

王とパタゴニアに向けたトレーニングをしたかったので、穂高での継続をすることに。最初のプランでは屏風岩から前穂高東面、滝谷。ただ日程は二日間しかないので、バスの時間を考えると非現実的。無難に?今回の計画に落ち着いた。

実は穂高の屏風岩で登る計画は今まで何度もたてていたのだが、毎回天気が悪く、念願の穂高屏風岩となった。(2月に右岩壁には行っている)

今回の天気は2日目の夕方から雨が降る予報だったが、雨はしばらく降っていなかったので状態は良いと思っていた。


当日朝、沢渡には6時発の始発バスに間に合うように向かった。ところが始発の2台は満車。前後にいた二人を無理やり?誘ってタクシー相乗りで入山。

夏シーズンの上高地に入るのは4年前の涸沢紅葉テント泊以来で懐かしい。

クライミングの話や仕事の話をしながらテクテク歩いて行き、岩小屋跡から渡渉する。水量はふくらはぎ程度で大したことはなかった。

明瞭なケルンなどはないが、1ルンゼ押出(ガレ沢)を辿っていけば良いので迷わない。



T4尾根はジャンケンで王リード。練習で登山靴で登ると言われたが、それでは少し悪そう。遅くなるという理由で、クライミングシューズに履き替えてもらう。その代わりに練習を兼ねて、マイトラ使ったコンテで一気に登った。50mのロープは丁度良感じ。

バンドについたら右にトラバースし、フリークライミングの凹角へ。ここから荷物は全てフォローが担ぐ。奇数は小峰リード。1P目、5mほど登ったところで、いきなり50cmくらいの岩を落としそうになり肝を冷やす。抜け口の数メートルはラインに迷ったが、大胆にフェースに出て登った。5.10はありそう。

2P目 右にトラバースした後、脆そうな岩をプアプロでレイバック。フォローでできる気がしないのでユマールした。ここで合計2.5l近くあった水を1.5l位に捨てる。

3P目 核心。いつも濡れているというピッチだが、この時はチョークが使えないほどに濡れているのは一手だけ。状態に助けられてなんとかオンサイト。王も荷物を担いでノーフォール、コヤツ凄い。。

4P目 1番ランナウトするピッチ。トポでは右にトラバースした後左上に上がるようだが、傾斜も強く難しすぎるのでやや右寄りから登っていた。

5p目 トポだとⅤ-だったので、途中で切ってショートフィックスで同時登攀。ただ、意外と悪くてすぐに追いつかれた。ソロシステムでランナウトはかなりビビってしまう。。

6P目 雲稜までのトラバース。ここも意外と悪い。。

7P目 150m?何かの記録でヨセミテのような。、と書かれたコーナー。出だしが悪かった。後半やさしくなってきたのでマイトラかましてから同時登攀。

トポに「泥のルンゼ」と書かれていたので、リアル泥を想像してビビっていたけど普通のルンゼだった。

ロープを片付けたあたりでちょうど日が暮れる。ところがここからが長かった。踏み跡はあるにはあるのだが、完全にハイマツの薮に覆われてしまっていた。足は普通に地面を踏めるが、上半身藪漕ぎで進む。こういうの嫌いではない。頭につくとカラフルなテントが綺麗な涸沢が見えた。紅葉の涸沢の記憶を思い出す。

さてここからが長かった。頭から2時間半の歩きで奥又白池へ。下りは話しながら進むも、最後池までの登りは黙々と進んだ。キツかった。。ヘッドランプが!と思ったらテントの張り綱だった。先客は3張。

池の水を煮沸して飲むつもりでいたが、王が中又白谷源流の湧水を発見する。中又白を遡行した時の記憶ではひたすら藪のツメだったと思ったのだが、、。

とにかくこれが本当に美味かった。

ロープでツェルトを張り、テーブル状の岩の上で飯を食って寝た。モンベル5番の寝袋だったが意外と寝れた。


アラームを4時にセットして起床。早起きしたと思ったが、王曰く元の計画より遅いらしい。スケジュール管理甘々な自分だ。

振り返ると夜が明けていて、池が見えるようになっていた。

前穂高はガスの中。ここからガレ沢を横断していくのだが、落石を誘発しそうで怖い。

王に意外と柱状節理ですねーと言われたが、全てが浮いているように見えて恐ろしい。取り付きがよくわからないが、それっぽいところでロープをつけて登ってもらう。

昨日の順番の続きで王リード。雨が降ってきて岩も濡れる。北条=新村を登るつもりが、月稜か甲南ルートに入ってしまったらしい。

2ピッチ目 頭上に垂壁が若干被ったコーナー状があり、その右を登る。クラックがなく、相当に古いハーケンにクリップし進むも、ホールド乏しくエイド。絶対に落ちたくない感じ。今回の山で1番必死になり、左上のテラスへ抜けた。

3P目 真上に近年崩壊した面が。真っ白い。左にトラバース。ネットの記録で見た、ハイマツのないハイマツテラスに辿り着く。

4P目 青白ハング。2ピッチ目に比べてとてつもなく安定した硬い岩を快適に登る。スピード優先で残置も使った。

フォローもこれぐらいの難度だとフリーで問題なし。

5P目 表銀座の山をバックにトラバース。

北尾根に合流。3-4のコルで降りてくるパーティがいたので待機。時折突風があり下り坂の天気を感じる。


この日のうちにバスに乗るために急ぐ必要があったので、核心のチムニーはノーロープで。クライミングシューズを履いてチョークをつければ安心感があった。

そのまま一気に前穂山頂まで。



重太郎新道はやはり長い。


意外と余裕を持って帰りのバスに乗った。お疲れ様。

王と本格的に山に行くのは初めてだったけど、わりと飄々としていて頼もしい奴だ。王は残置も一切使わず、フォローでも全部フリーで抜けてきた。とんでもない奴かもしれない。

反省点
アスペクト 8.5でも踵が痛くなった。クライミングシューズの時に靴下を履いたら随分マシになったので次回は最初から。
歩きで汗冷した。次は積極的に上裸。
水は作れるor汲めるのなら少なく。
ギアは今回のでちょうど良い。
ロープは50でよかった。穂高に限れば40mでも良い。
同時登攀時声聞こえないのでより慣れる。
クライミングはまだまだ続けられそう。上半身は元気。ただ、心肺機能(北尾根で息が上がった。高所だから?)、脹脛、下半身の持久力が足りてない。
朝はもう少し早く。。


2022年9月19日月曜日

瑞牆継続登攀

 穂高屏風岩の予定が中止になったので瑞牆継続トレーニング。駐車場5時発。

今回は混雑を警戒して最初に十一面アレアレアへ。(実際は全然混んでなかった。)

アレアレアでは核心のクラック、最後のスラブで何度も落ちた




続いて小ヤスリ岩の続・人生劇場(3p)を目指すも、予定より疲れていて1ピッチで降りる。







絞めに末端壁の完結された青春へ。最終ピッチはC6無しで怖くて登れませんでした。



駐車場に戻ったのは24時。



そろそろ山に行きたいなー。

2022年9月12日月曜日

宝島とカーテン状壁

 金曜の夜、急遽N居と瑞牆へ行くことに。

Nは出張で忙しかったらしく、疲れていて?東京から連れ出してくれることに感謝された。笑


朝6時に八王子で合流して8時頃着いた。寝不足のせいか自分も疲れ気味。

リハビリクライミングということでカサメリ沢を提案したのだが、なんと○友ルートを提案された。僕もやりたかったので行き先は決まった。


登山道は濡れ気味で嫌な予感がしていたのだが、○友一ピッチ目の出だしは完全に濡れているが、中間からは乾いてそうなのでとりあえず登る。濡れ場に慣れてそうな地盤がリード。意外とカムをしっかり使う。途中不確実なところが出てきて、落ちそうなのでクライムダウン敗退した。この時左脹脛を痛めてしまう。


気を取り直して左のスプーンカット5.8へ。1ピッチ目の木登りを終え、スラブ末端に辿り着くも、どうも1ピン目まで到達できる気がしない。。岩はコケっぽくしっとりしていて、ホールドもハッキリしないのだ。泣く泣く本日2回目の敗退をすることに。


気を取り直して乾いてそうな宝島へ移動。このルートは最近渉くんによりリボルトされ、気になっていたのだ。実質アプローチの1-2ピッチ目(意外といやらしい)を登ると、とても綺麗な花崗岩が。狙い通り完全に乾いてそうだ。

ここもリードさせてもらったが、泥まみれの登りばかりしていたので、スメアが信用できずにぎこちない登りに。1ピン目の少し上で、いきなりの不意落ち。やっちまった、けどピカピカのボルトに感謝だ。

ロワーして、仕切り直してトライするとなんてことなかった。トポにあるとおり、中間から難しさが増し、今にも落ちそうになりながらもなんとか進んでいく、という充実の内容だった



夜はS、Wが合流。酷く赤裸々な話が弾み、寝るのが遅くなった。もうループは嫌だ。寝るのが遅くなってしまった翌朝は居心地が悪い。


翌日は末端壁予定だったが、思いの外日差しが強かったので不動沢の○友へ向かった。こんなに晴れたのは久しぶりかも。不動沢の駐車場は満車。

○友は相変わらず濡れていた。。

そこで今回は乾いてそうな同カーテン状壁の右カンテルートへ。

一ピッチアプローチ的な登り後、少しボロくて岩茸多めのクラックが現れた。錆びたボルト1本とカム2本でビレイ。10dだが、花崗岩の緩傾斜なのでかなり本気になった。




3ピッチ目はワイド系クラック。見た目に短い。けどしっかり10dで、トライすると随分と傾斜を感じた。

ここでなぜかトーテムの0.5が落ちる。


トップまで行くと、残置カラビナ付きの残置スリングが松の木に巻かれていた。○友は意外と登られているようだ。

下降中するとちょうど南裏返し(12a)と対面した。正直眠すぎたが、こんなアクセス悪いところに来れるチャンスはそうないのでトライする。ボルトはまあまあの状態、間隔も近いので危なくはなかった。にも関わらず疲れ気味なのと、ビビり気味なのでテンションしまくってしまう。2トライ目で登った。ムーブは秀逸でとても面白い。


取り付きまで下降を終えると、そこにちょうどトーテム.5が落ちていた。


2日間不動沢で登ってみて、スラブやランナウト、クラック技術と山に生きる技術が詰まっていると改めて実感した。ボルトは古いのもあるが、落ちないクライミングの鍛錬にまた来たい。

2022年9月5日月曜日

瑞牆継続登攀

 慶大さんと瑞牆マルチピッチ。今回は登攀距離重視という事で3本の継続を目指す。体調のこともあり、チップの駐車場6時発。


まずは太陽の登。4年くらい前に一度登った気がするがムーブはうろ覚えだ。出だし1ピッチ目フォローで何回か落ちた。

そこからツルベで登り、自分のピッチはギリギリ落ちずに登れた。


下降ではロープが溝にスタック。逆末端を使って慶大さんをビレイ。スタックしたロープをグリグリでユマールしていく。もし不意にロープが抜けると大墜落となるので怖い。途中スリングを丸く結んで、スリットにチョックさせていた。ロープは案の定、結び目もなくフリクションで止まっているだけだった。。


続いては人のいる大面岩をパスし、一刀へ。濡れ気味だったけど問題なく登る。途中謎のコーナークラックもリードした。5.10+くらい?

一刀を降りる頃には真っ暗に。ロープのスタックや、アプローチのミスで時間がかかったか。

ベルジュエールは20時登りはじめ。完全な夜でも、瑞牆の知ってるルートなら意外と問題ない。むしろスタンスは良く見えるくらいだ。

大フレークまで到達したのだが、内側が完全に濡れている。何故かカムをキャメ1までしか持ってきていないので怖いがやってみる。途中まで行くも、スリップするかもしれないと思い、おとなしく敗退する事にした。


駐車場に着いたのは24時。お疲れ様でした。

2022年8月25日木曜日

ノルウェーツアー10 Ølmåa fossen 2

 4ピッチ目 太一

灌木のビレイ点から直上と、右のブッシュ岩のコンタクトラインの2択だったが、前者のラインで。40m?

5ピッチ目 小峰

左手から木登り。迷路のように斜上 50m?

6ピッチ目 太一

50m程伸ばしてから、長さ確認のコール。それからロープの動きが止まる。悪場に入ったか。格闘?は続く。気をつけて、とだけトランシーバーで伝える。結局、ロープは伸びずに解除のコールが聞こえた。

登ってみると太一がビレイしている少し下に最初のビレイ支点が作られており、そこから数メートル進みピッチを切っていた。今のビレイ支点はナイフブレード、ブロックに決めたカム、細い灌木のビレイ点。右手にはルーフが張り出した右上スラブ凹角、左手にはスラブがある。どうやら逆層のハング帯がおおいらしい。

7ピッチ目 小峰

最初に右の凹角を考えるが、太一くんに左のピトンの回収が大変と言われ左からスラブに抜けるラインも確認する。プロテクションは少なそうだが、5m右上に細い木があるので何とかなりそう。という事でビレイ点からハング超えを試みる。しかしいざ探ってみると、ポジティブなホールドが無いため這い上がれない。仕方なく、ビレイ点のナイフブレードでエイド。体を下げて、アブミでダイナミックテスト。ピトンは柔らかくしなるが、抜けなかった。上段に立ち込む。色々とほじくった結果、出てきた隙間に2番。ここから濡れてぬめったスラブをタワシで擦りながら右上へ登っていく。途中途中ピトンや抜けそうな0.5をセットしたがどれも怪しい。落ちたらハング下に叩きつけられそうだ。途中、真横右に出るか上に出て右に行くかしばし迷い、上を選ぶ。何とか繋がっていた。灌木にランナーを取ってからはグイグイと草付きを登り、次ピッチのフォールラインを考えて左に少し折れたところでピッチを切る。

8ピッチ目 太一

偵察時に確認していた、ぶったちロックセクションに到達していた。

いよいよだ。ここが登れるか否かに命運がかかっている。下から偵察した目論見通り、大凹角がある。右手にはクラック(というか隙間)が無数に走る、バルジ状のリッジ。被っているし、浮いてそうだ。

太一くんは大凹角に向かってルンゼ状を登っていく。最も狭くなる喉に入る。ボロいー!と叫んでいるが、とりあえず行ってみます!とのこと。


突然、ラク!のコールがあった。と同時に1m程の平べったい落石がゴゴゴゴと滑り落ちてきた。ここには来ないだろうと思いつつも本能的に体を逆方向に寄せる。落石は止まった。ロープが傷んだかも。

やっぱりこのボロイ喉は危険、という事で10m程引き返し、左にあるはずの凹角を目指す。


9ピッチ目 小峰

凹角手前のハング下でロープの点検。赤のロープが15m程のところで切れかかっていた。仕方ないのでカットする。ロープは既に水を吸っていて一杯に伸ばすこともないので問題ないだろう。

左の凹角を覗く。こちらも相当にボロそうだ。浮石がチョックストーンとなり幾重にも積み重なっている。引っ張るとドミノのように連鎖的に落ちてきそうだ。。ただ、ステミングやフェイスクライミングで外側を登れば浮石ドミノに触らずに登れそう。という事でフェイスを登っていく。岩質的には片麻岩だ。スコットランド アウターフェブリティーにあったのと同じように、褶曲した節理が走っている。ただこの節理、岩ごと外れそうでもあり緊張する。左へのトラバースが悪かったのでA0を交えてステミング〜左壁へ。ロープが岩に触れないようにプロテクションセット、ランナーを伸ばす。凹角の上部も相変わらず浮石だらけだ。今度は右フェイスに戻る。インカットしたホールドがあったのでフリーで登り、右手のリッジ上に出た。振り返るとオルマ本流の流れが近かった。

荷物を担いだ太一くんも、無事フォローで辿り着く。核心と思われていた強傾斜帯を突破できたので多少安堵した。






ノルウェーツアー10 Ølmåa fossen 1

 いよいよゴーアップ。気温が低いのと、昨日の雨で諸々湿っていた事もあり寒い。トロール壁の上ではみぞれの予報になっていた。

朝食にアルファ米を食べ、物干しロープからギアを手に取りパッキング。オルマは下降にブッシュが使えるので、ボルトレスで行く事にした。濡れ気味のウエットを着る。最後にアルファ米を1人分作って食い溜めした。

順調に前回のfix末端まで辿り着く。

自分が最初に荷物を担いでユマールして、太一くんはロープを回収しながら上がってくる。

ロープも損傷がないことを確認できた。2ピッチ目の終了点に太一も上がってくる。3p目は昨日の続きで自分が先行。右手のリッジに渡り、ブッシュを登っていく簡単なピッチだと思っていたがプロテクションが全くなさそうだ。ビレイ点の灌木が心もとないので必死に探すと2番が決まった。そこから凹角を左から右へとフリーで横断。ここは何も支点が取れない。万が一落ちたら捻挫か骨折か。ツアーが台無しにならないようとにかく慎重に登る。スラブなのでクライムダウンは難しそうだが、こういう時ボルトがあれば全然心持ちが違うのだろう。湿った岩を時折タワシで擦りながらなんとか右へ横断。ここは真下に立木があるから落ちたらとまるだろう。そのまま真上の草付きを登り、ブッシュバンドへ。右にロープを伸ばし50m程でピッチを切った。

2022年7月21日木曜日

ノルウェーツアー9

 7/14 停滞

終日雨。しかも気温が下がり3-10°くらい。

少し散歩した。牧草地は沼に足が取られてしまい靴が濡れる。

大人しくこの日もKindle。

明日からが一番気温が低いようで、オルマの登攀に当てた事を後悔する。でも手持ちのダイナミックロープはfixしたので明日はとにかく行くしかない。

ノルウェーツアー7

 7/12

レンタカーを8時半に返却し、10時に宿をチェックアウト。


天気予報を見て、次の計画でトライする事に決めた。

7/13試登、14雨レスト、15-16登攀、17日予備、18日雨レスト

10時半くらいに街でバスチケットの買い方を確認したのだが、特に買わなくて良いと言われて拍子抜けする。


ここから16時40分のバスまで別行動。この日は豪華客船が港に停泊しており、街中は乗客で賑わっていた。乗客が散策するための地図を一枚もらい、散歩コースを考える。Googleマップで「温泉」と表記されていた海辺まで行ってくる事にした。


行ってみるとこんなビーチが。残念ながら温泉が湧き出ている事は無かったが、子連れと、テレワーク風の男性がいるだけでとても静かな場所だった。客船の乗客向け地図にも記載があったのに、少し辺鄙だから誰も来ないのだろう。

少し砂っぽい巨大な流木の上に寝転び、しばしリラックスした。遠くに家族がいるくらいで、ほぼ誰もいない空間。何かいいアイデアが生まれるでもなく、「登りに行きたいなー。レンタカーを借りたい。結局お金が大事だよなー」などと至極単純な事や普段考えるような平凡な事を考える。

ちなみに水は普通に冷たく温泉ではなかった。
ちなみに海水でもない。汽水域なのか。
温水シャワーが使える事も発見したので今後活用するかもしれない。

小腹が空いたので街でホットドッグとコーヒータイムをした。さらに時間が余ったので、Sødahlhusetという人気のカフェでWi-Fi。テラからお勧めされた書籍と漫画をKindleに取り込んだ。
このカフェはとても可愛く、雑貨も売っているオシャレスポットなのだが、トロール壁のルート図が壁に貼られていたり、ノルウェーの美しい山の本が置いてあったりと山を感じた。店員さんもとても優しい。

最後に駅近の山道具、山の本を見てからバス停へ。クライミング用品やガス缶、トポの購入はこの街だけでも十分だった。人口5万人ほどだったと思うがすごい街だ。

バスの定刻になり、ワンボックスカーがバス停に停まった。老夫婦に続いて乗り込む。もっと大きいものを想像していたのだけど。
老夫婦はキャンプ場で先に降りて行った。トロール壁のあたりで写真を撮るかと聞かれた。そういうサービスもあるのか。目的のバス停について、お金を払おうとしたけど、お金は要らないという。こういう、田舎の公共交通機関が無料だとありがたい。

ベースのテント地に入り、自炊して寝た。

2022年7月20日水曜日

ノルウェーツアー8

 7/13 オルマ試登

6:50 テント出発

8:30 登攀開始 1ピッチ目 小峰

9:30 2ピッチ目片野

12:00 歩ける場所まで下降


どんな岩質か、傾斜はどれくらいか全くわからないので、まずは試登。登った後はダブルロープ2本の120m分fixするか、同ルート懸垂で戻ることになる。

fixすると翌日の雨でロープが芯まで濡れるし、アイスラインで登り返すのも嫌だった。かと言って稼いだ高度は残しておきたい。どうするかは現地判断する事にした。

アプローチの途中、太一くんがトランシーバーを忘れた事に気がつき持ってきてもらった。

とりつきは滝右側のスラブ。テラスに0.5を決めて、ジャンケンで買った僕からスタート。乾いているスラブを登りはじめたのでグレード的には簡単だったがまるでプロテクションが取れない。ホールドも顕著なものがなく、スローピーな形状を抑えていく。余裕のあるところでリスにナイフブレードを決めるも全然入らず。ノープロを強いられて、草付きバンドにルートを求めれば良かったと少し後悔する。

内容は本当に簡単なんだけど、万が一を考えると怖い。

草付きバンドに入り灌木にスリング 、右の支流滝を横断する。バガブー とカムを使う。水量は僅かだが、頭上から降ってくるのでフードを被らなければならなかった。

右手のブッシュ帯に移りピッチを切る。50mくらいか。

2ピッチ目は太一くんリード。まず最初に、果敢にも左のスラブ帯へ。70°くらいに立っていたが、あまりにもプロテクション、ホールドがないので戻る。真上の大フレーク状チムニーに入らないか見てもらうも、出口がスラブで行けるかわからないと却下。右のブッシュを登っていく事に。

45mほどロープが出ただろうか。ビレイ解除のコール。本来だったら余端を手繰ってもらうが、fixして加工することを考えてそのままfixしてもらった。


とりあえず荷物を担いでユマール。大フレーク右のブッシュは傾斜が強く大変。その後バンド状のトラバースを2回交えて灌木で作られたビレイ点へ。


登ったラインは右上だが、懸垂すると小滝を降りる事になるのでロープの長さに気を遣って降りる。大フレーク横の被った凹角に差し掛かった時、アイスラインが一気に伸びてひっくり返り、頭が下になった。その拍子に背中が岩にぶつかり痛かった。気をつけなければ。

2人目の太一くんに途中途中結び目を作ってもらい降りた。


テントに戻ってもまだ昼だったので、暇つぶしに焚き火。こっちの木はなかなか火がつかないし、ついてもイマイチ強くならない。

濡れたウエットなどを乾かし、一気に沢登りの感じになってきた。

18時前にアルファ米と太一くんが作ったスープで夕食。

次の日は停滞ということもあり、基本的に暇なのでKindleを読むなどして過ごした。

2022年7月14日木曜日

ノルウェーツアー6

 


狭いシートで寝つきが悪く何度も目を覚ました。今の時期なら夜中の2時でも薄明るい事がわかった。

夜行バスからオンダールスネスで下車したのは、僕たちともう1組だけ。

今までオスロに3日間も滞在してずっと晴れていたのだが、こちらはどんよりした天気。地面が濡れていて、程なくして雨が降ってきた。天気予報も表示される10日間は全部雨マークだ。

朝5時で既に明るいが、人の気配はない。

この街の第一印象は陰鬱とした雰囲気だった。


駅に入ると、ベンチで毛布にくるまっているおじさんが1人いた。僕たちも宿まで歩くのは億劫だったので、ベンチの上で寝袋に入って寝た。


7時、スーパーが開いたので朝食にパンを買う。ホットコーヒーも飲みたかったがそれはなかった。


8時前、レンタカー屋だと思っていたところに行くと、何故かホテルだった。受付の人に正しい場所を教えてもらい更に10分歩く。荷物がないと歩いてるだけでもいい気分だ。


教えてもらった車屋に辿り着いた。ところがここでも問題が。スマホで予約のメールを見せたのだが、そんなものは無いと言われてしまう。

困ったが、確認してもらう間にコーヒーサーバーから一杯頂く。おそらく予約は仮申込の状態で、確定できてなかったのだと思う。

結局予約は見つからなかったものの、オートマのカローラを借りる事ができた。

駅に戻りビッグワンと荷物をピックアップ。宿へ。

次の宿もユースホステルのような感じで、建物に共同のキッチン、さらにはサウナが併設されていた。


そしていよいよ、本命の滝や壁の偵察に向かった。

ロムスダール渓谷のクライミングは、ラウマ川の両側に聳える岩壁が対象になる。氷河で削られたV字谷だ。

オンダールスネスから行くと、まず最初に圧倒的な壁が右側に現れる。トロール壁だ。この時はちょうど天気が回復していたのだが、トロール壁の上部には雲がかかったままになっていた。

正直なところ、デカ過ぎて登る対象として捉えられない。登って行けるイメージがまるで湧かないのだ。トロール壁前には大きな駐車場や売店があるのだが、トロール壁で亡くなったクライマー、ベースキャンパーの名前が刻まれていた。最近だと2019年の事故だった。

トロール壁の対岸にはオムスダールホルンがある。壁がよく見える駐車スペースに移動する。この日はクライマーの車が1台あった。オムスダールホルンは陰鬱としたトロール壁とは対照的で日当たりも良く明るい。それでも500mほどある垂直部や、1500mある山容は迫力十分だった。最近のトポにもこちらは詳しく載っている。登るならまずはこっちが良い。

それから、本命のオルマ(Ølmåafossen)へ。

それはオルマ川沿いを走っていて、遠くからでもすぐに目に飛び込んでくる存在感を放っていた。実は渓谷の両側には、雪渓を水源とした名もなき滝が無数に掛かっているのだが、この滝だけが本当に群を抜いて高いのだ。絶妙に登れそうな傾斜、しかも両側には適度なブッシュ。完璧だ。

だがしかし近くに行ってみると、ほんの少しに見えた垂壁部分が随分大きい事に気がつく。でも、まあほんとよくわからない。

前日の夜行バスによる寝不足も加わり、とにかく現実味がないのだ。

偵察後、オルマの右のルンゼから岩雪崩の音が聞こえ、白煙が上がるのが見えた。少し前にあそこから下降しよう、なんて話を丁度していた所だ。

下降は反対のトレッキングコースをたどる事に決めた。

ベースになる場所を決め、ドローンの撮影も終えたので他の候補も見に行く。


モンゲ(Mongefossen)
これは駐車スペースが無かったので、運転していた僕は見れなかった。ビッグワンが言うには完全に壁らしい。深追いせず次へ。

ドンテ(Døntefossen)
あまりにも傾斜が強すぎる。完全にクライミングの範疇だ。しかも瀑水の影響を受けそう。もしこれが登れたら究極の大滝登攀になりそう。アプローチも泳がないと行けないかもしれない。
ただ、クラック状に見えるラインは繋がっている望みがある。可能性はあるかもしれないが、自分があそこに身を置くのは考えたくない。正直、今は登りたいと思えない。

最初にマルチピッチを楽しみたいとも思っていたが、太一くんの希望もありまずはオルマに集中するという結論に至る。スーパーで買い出しを済ませ、宿に戻った。2人とも寝不足で15時過ぎに就寝。


ノルウェーツアー5



 7/10

起きた瞬間、電車のチケットが売り切れていても、流石にローカル線があるのではないかと考えた。Googleで経路を短く区切って検索するとそれらしいものが出てきた!

しかし結局、それも予約が必要でチケットが売り切れていた。。


結局オスロ空港から23時発の夜行バスに乗る事に。オンダールスネスの宿が一泊分勿体無いし、レンタカー寝不足で運転もきつそう、何より楽しみだった鉄道にも乗れない。。


オスロ3日目の滞在となってしまったが、荷物が大きいので観光にも行けず。とりあえず空港に向かって引きこもる事にした。

YouTubeで、トロール壁のことやノルウェー人ユーチューバーのチャンネルを見て時間を過ごす。それも飽きて、散歩してトレッキングコースまで行かないかと考えたが、バスやタクシーに乗らないと空港からは出られないので断念した。


それでも無事、定刻通りに夜行バスはやってきて、無事にオンダールスネスへ出発した。座席はノルウェー人の体格に合わせていると期待したのに狭かった。。


ノルウェーツアー4



 7/8

個人的には早く移動したかったのだが、「ノルウェーを知る」事を大事にしたい2人の要望で、この日も連泊する事になっていた。沢屋は寄り道が大好きなので仕方がない。


この日最低限やることはジムに行って情報収集、ビッグワンのSIM購入だ。


Kさんに教えてもらったアプリ、Topo mapsをみるとオスロ東側にボルダリングのエリアがあったので行きたくなったが、ビッグワンのAQUOSスマホでeSIMが上手くいかずにいたので現地SIM購入まで付き合う事に。


宿からジムへの移動だが、ちょうど良い電車やバスがない。そこで昨日から気になっていた電動スクーターにトライしてみたがこれが良かった。


TIERというアプリを入れると、地図と現在地、そしてどこに電動スクーターが停まっているかが表示される。

スクーターはオスロ内そこら中にあり、宿の近くにも2台あった。アプリでQRコードを読み込むと利用スタート。時間課金制で料金が発生する。

時速は体感20キロくらい出るので結構早い。


これでジム方面へ向かった。ちょうどコンビニがあり、ビッグワンSIM購入。


それから〇〇というジムへ。

ここはGoogleマップを見る限り、オスロの中でも1番大きいジムだと思われる。実際リード壁は5面あり、高さも13m程。品揃えも、特にトポが充実していた。

ここでもビッグワンがトロール壁について聞いてみる。受付のお姉さんは分からないようだが、とても親身になってネットで色々と調べてくれた。どうやら、トロール壁は日本でいう谷川のような位置付けのようだ。


ロムスダールのトポを一冊買って、ジムで登る事にした。ここではTCプロを履いていた兄さんが仲良くしてくれた。クラック好きは言語関係なく通じ合えるのだ。

最後に、オートビレイで13mのファスト〜ワイドハンドを楽しんだりと満喫。情報収集としては、ノルウェーのクライミング雑誌があり、そこでカッコいい氷瀑の写真をいくつか見た。


宿に戻った後、ビッグワンのスマホにSIMを入れるが、上手くいかない。通信会社実店舗へ行く為にオスロ中心地へ。地下鉄用のアプリも入れたし慣れてきた。肝心のSIMは、あと少しのところで上手くいかず諦めることに。通算1万円くらい課金したのに残念。。


宿に戻って一息つく。

明日乗る、オンダールスネス行きの鉄道の事を調べるかー。と見てみると、全部売り切れている。。。予約必須だったのか、、自由席もないらしい。明日駅に行って、駅員に聞く事にして、念のため夜行バスを確保。

他にいい方法がないか考えながら寝た。

ノルウェーツアー3

 7/7続き

オスロ空港に12:30着。今回初めて導入したeSIMを試すも、うまく繋がらない。


この日は昼過ぎにオスロ中央駅で、インスタで連絡をとったKさんと会う事になっている。Kさんはロングトレイル、山スキー系の女子で、先日の山スキー報告会の幹事もされていたので気になっていた。

僕たちと1日違いで成田からドバイへ移動し、デンマークに渡り、夜行バスで移動してきたそうだ。ノルウェーに行く山屋なんてそういないだろうに、すごい偶然だ。


特急?でない電車のチケットを買い、オスロ中央駅へ。Kさんと無事合流し、有力情報を頂いた。

旅に使えるアプリ

Wi-Fi Map

Topo maps

元々はランチでも、という話だったがお互いにお金がない事を察してか、ジュースひとつ買わなかった。

教えてもらった登山ショップに向かい、ガス缶購入。現地のトポをみると、アイスクライミング が良さそうだ。あれ、来る時期間違えた?笑

ここの店員さんにトロール壁の資料はないか聞いてみると、ボロすぎるよ。あそこのジムにならもしかしたらあるかも。とのこと。


外は明るかったもののすでに18時近い。宿を目指す。

地下鉄駅に降りると、それらしい電車が発車しようとしている。色は目的地に行く路線だったので、切符を買えていないがとりあえず乗り込んでみる。

しまった、逆方向??地下なのでGPS も使えない。周りには誰もいなくて車庫に向かってる??とも思ったが、無事?逆方向の駅に到着した。

地下鉄駅を見渡しても券売機は無く、皆アプリで乗車するらしい事が分かった。紙を使わないのでエコだ。ビッグワンが売店で切符を買ってきてくれたので、それで正しい方向に乗り直す事ができた。

郊外の駅を降りると、ほぼ歩行者が居なくなっていた。首都なのにとにかく人が少ない。130lのダッフルバック、ショルダーベルトが肩に食い込み痛いのを我慢しながら宿まで歩いた。


宿はユースホステルのような感じで、台所共用、食堂、外にはバスケのハーフコート、巨大なチェス板、フリスビーのゴールがあり開放的。


食材をスーパーに買い出しに行ったが、20時過ぎていた為、アルコールはレジで没収された。

ノルウェーツアー2

 7/6-7

仕事を1時間早退させてもらい、車で成田空港近くの駐車場へ。9000円を払い、送迎バスに乗り込む。

ターミナルでビッグワンと合流。モンスターがいないのが本当に残念だ。重量オーバー分のキャメ5とスタティックロープを移し替える。僕はここで2万円をクローネに両替。ケンジリさんから聞いた長期ツアーのコツなんかを雑談して過ごす。2人とも預け荷物は25キロちょうど。エミレーツの容量は大きめで助かる。ビッグワンの分は少しオーバーしたが問題なかった。


ビックワンの股間に金属反応があってチェックされる謎の事態があったが、他にはトラブルなくフライト。日本からドバイ行きは空席も目立ち、席を移動して広々使った。

この非公開のアルピニスト、スターウォーズエピソード1、レッドブルTV、reelrock を観た。


ドバイ空港は3年前のイギリスツアーでも使っていたので懐かしい。今回も無料のシャワーを使う。仕事終わりそのままだったので気持ちいい。

オスロ行きの機内は、先ほどとは打って変わって満員である。横になれないし、窓側になってしまったのでトイレに行くタイミングも気を使い疲れた。

ノルウェーツアー1

 ノルウェーにあるこの大滝、すごくないですか?

これだけじゃない、他にも。。あれも、これも。

大滝天国ですね!


大滝モンスターからフィヨルドにかかる数々の滝がLINEで送られてきた。

モンスターとはこれまで幾つかの滝を初登してきた。実際、振り返ってみるとそれらのクライミングは理想的で、ベストクライミングも多い。時には敗退もするが、敗退すらも面白いのだ。送られてきた滝は魅力的だし、ノルウェーには新型コロナ関連の規制もない事が分かった。すぐに日程を決めた。

GWの紀伊半島大滝登攀で、ノルウェーのbig water fallを想定し試行錯誤した。2人でビバーク装備を担いで大滝を登るのは厳しいと判断。そこで共通の仲間の太一を誘った。


丹沢や谷川、紀伊半島など、毎週末3人でトレーニングを重ね、準備は順調だった。


ところが出発直前に酒井が指を負傷した。なんとタイヤを降ろした時に怪我してしまったらしい。最初聞いたときは、まさかそんな大怪我だとは思わなかった。靭帯の完全断裂だった。手術が必要になり渡航すら出来ない事態になった。


大滝モンスターがいないのは本当に残念だ。もしかしたらクライミングも辞めてしまうかもしれない。


2人になってしまった事については不安もあるが、チケットはとってあるし今更行き先の変更もない。酒井くんからも必要なギアを託された。


起こってしまった方はどうしようもない。むしろ今まで山で無事だった事に感謝だ。とりあえずまあ、可能性を探ってくる。


やろうぜ!俺たちの大滝登攀を!

2022年6月28日火曜日

尾白川ゴルジュ 上部(不動滝上)

先週の谷川で疲れてしまったので、遠征トレーニングの弥山川ゴルジュは欠席した。
代わりに土曜日は用事を済ませ、夜は沢屋交流会に遊びに行き、日曜日は近場で沢登りしたい!

そこで最近一緒に登っていなかったTに連絡。日曜沢に行くとは言っていたけど行先は尾白川ゴルジュ。。しかも一人で行く予定だったとか(笑)
T君、沢登り数回目じゃなかったの?バックカントリースキー同様、ステップアップが早すぎる。
緩く楽しむつもりだったのに激しめゴルジュ突破となった。

不動滝、水量が多く見え、落ち口を超えられるかわからなかったので巻いた。

F2 這い上がるのに苦労していたけど、流石!

F2 ここからネイリング。ピトンの枚数がぎりぎりで、最後はバガブーをナイフブレードサイズのリスに先端数センチだけ打ち込みスリングのタイオフ。

F3 フォロー回収。この辺は吹っ飛ばされそうになる。

たかが2mほどだが、一番悪かったかも。まさかのインバージョン。さすがフリークライマー!

休憩。

家の卵が古くなりそうだったから、ゆで卵にして持ってきた。お裾分け。

超巨大チョックストーンの連なりは、右側のクラックから超えた。

ここ、上部が悪く、Tは最後は左落ち口に滑り気味にジャンプ!!
フォローしたが、まねできないのでトップロープ状態にしてもらい、僕は上に抜けた。

ここも泳ぎ&瞬間的なカムセットが難しいみたい。助かるー。
ビレイ点作った後の、右トラバースも激こわ。

ここは水平トラバースが2ピッチも続く。ユニークな登攀。



ラスボス!さすがのTでも水流に負けて取りつけず。左から高巻きした。

不動滝や最後の滝を巻いたこともあり、暗くなる前になんとか駐車場へ戻ることが出来た。
自分はメンタルがちょっと弱めだったけど、Tがイケイケなので全体的に楽しめた。
にしてもかなり疲れた。充実。


これは前日夜の沢屋交流会。
面白い楽しみ方をしている方々からいろんな話を聞けたし、
馴染みのけんじりさんらとも久々に話せてよかった。
小鹿滝のことや、ニッチな冒険、登山のことなどなど。
自分は「沢屋」ではないかもしれないけど、このコミュニティはとても居心地が良い。

辺クラの極意や自分らしい楽しみ方を思い出してとてもいい気づきがあった。
最近遠征トレが続いて、一つ一つの山をしっかりと味わえずにいた思いも吐かせてもらってスッキリした。

参加して本当に良かった。ありがとうございました。